『学会会長に就任して』

日本生涯スポーツ学会 会長  山口 泰雄(神戸大学)

日本生涯スポーツ学会 会長  山口 泰雄  この度、平成28・29年度の日本生涯スポーツ学会会長に就任しました。就任に際し、一言、ご挨拶と抱負を述べさせていただきたいと思います。

 去る2015年10月1日、スポーツ界待望の「スポーツ庁」が文部科学省の外局として設置されました。これまでのスポーツ・健康増進政策においては「縦割り行政の弊害」が指摘され、効果的・効率的・経済的な施策展開ができないという弱みがありました。新しいスポーツ庁は文部科学省を中心に、厚労省や、経産省、農水省、外務省等の省庁をはじめ民間企業からの出向者を含め120名余のスタッフで構成されています。そして、スポーツ庁はスポーツ立国の実現を目指していることから、多様性と透明性、インクルージョン、柔軟性をもった生涯スポーツ研究へのニーズと期待が高まっています。

 また、2019年からの2021年の3年間は、“ゴールデン・スポーツイヤーズ”(間野, 2015)と言われています。これは、ラグビーワールドカップ2019、東京オリンピック・パラリンピック2020、関西ワールドマスターズゲームズ2021と続くメガイベントの連続開催です。その中で、ラグビーワールドカップと東京オリ・パラというトップスポーツへの莫大な予算とその成果が、いかに「生涯スポーツ社会の実現」と「地域社会の活性化」に対して、レガシーとして貢献できるか否かが問われなければなりません。

 日本生涯スポーツ学会は1999年に設立され、本年度は、18年目を迎えます。この夏の参議院選挙から18歳選挙権が認められますが、本学会も新たな成人期というライフステージに入ります。学会事務局も、これまで長年に渡って、学会の運営に貢献して頂いた鹿屋体育大学から広島経済大学へ移転し、新装開店を致します。そこで、新たな生涯スポーツ学会のスタートに際し、3点提案したいと思います。

 第1点は、「学会大会の活性化」が挙げられます。活性化に向けては、研究委員会において学会大会賞の創設準備に取り組んでもらっています。できれば本年度の東京都江東区での第18回大会からスタートできればと期待しています。また、学会大会の活性化においては、行政や企業、地域団体等との連携・協働を進めることが、参加者の増加、内容の充実につながると確信します。

 第2点は、「学会関連情報の共有、発信、公開」が求められます。学会事務局と広報委員会には、新しいウェブサイトにおいて、新しい情報の共有と発信を期待したいと思います。透明性の推進は、国内外のスポーツ団体にとって、今、最も求められる課題ですが、本学会においても透明性の確保を情報公開によって進めたいと考えています。

 第3点は、「学会の社会貢献・地域貢献を進める」ことです。学会大会を開催することによって、開催地の生涯スポーツのイノベーションが進み、開催地域がアクティブになってほしいと考えています。また、シンポジウムの成果や他団体との連携・交流事業を積極的に進め、これまでの生涯スポーツ事業だけでなく、障がい者スポーツの振興にも積極的に関わる必要があると思います。

 学会の発展においては、会員の皆さん一人ひとりの学会活動に対する関わりが重要で、学会員の増加が必須です。是非、周囲の友人・仲間・同僚の皆さんに入会を勧めて頂きたいと思います。また、学会をささえる法人会員、スポンサーも増やしたいと思います。最後に、本学会の運営や活性化に関して、学会員の皆さんの自由で、忌憚のないご意見、要望、批判を役員、理事会、事務局に頂ければ幸いです。