『学会会長に就任して』

日本生涯スポーツ学会 会長  仲野 隆士(仙台大学)

 鹿屋体育大学にて開催された記念すべき第25回学会大会の総会において承認いただき、会長を拝命することになりました仲野です。学会初の女性会長となられた故萩会長の志を引き継ぎ、学会の更なる発展に向け微力ではありますが取り組んで参る所存です。就任挨拶という事で、簡単な自己紹介並びに本学会における私の思いや役割について記させていただきたいと思います。

 私の原点は、所属大学において体育会レクリエーション部に所属し現在顧問となられた川西正志先生(レク部創設者)との出会いでした。大学入学当初、卒業後は高等学校の保健体育教員になるつもりで教職課程を履修し母校の高校に教育実習にも行きましたが、多岐にわたるレクリエーション部での活動に対する興味関心の方が大きくなっていたので、川西先生に相談し研究生として大学に残り社会体育領域の指導を極めるべく活動し、その後大学院に進学し社会体育専攻で野外活動やユーススポーツの研究をしておりました。その当時、歴代の鹿屋体育大学の諸先生方や1~6期の学部生の方々と出会い大いに刺激を受けた次第でした。現職に着任するきっかけは、故江橋慎四郎先生と指導教員であった守能信次先生のご指導のおかげでした。着任後はレジャー・レクリエーション、野外教育、生涯スポーツ関連の授業を担当し現在に至ります。このように、私は純粋な研究者というよりも、現場における様々な指導実践を通じて生涯スポーツを見つめてきたと自負しております。

 さて、本学会は極めて学際的な研究領域を包含している関係上、人文社会科学のみならず自然科学領域の研究者も多く所属しております。また、産・官・学の連携という観点から、関連機関・団体の方々も会員になられており、現場の事例報告等の発表もございます。さらに、若手教員、大学院生及び学部生の方々が入会され、積極的に口頭発表やポスター発表が成されており、優秀な発表に対する各種表彰制度も設け若手研究者の育成を重視するというユニークな特徴を有しています。これらは本学会特有のスタンスとして捉える事ができ、今後も継続していくべきであると考えます。

 私が会長として運営に携わるのは、年齢的にも1期2年と考えております。そして、この2年間で取り組むべき事は、新たに会員となられた方々が所属した事によるメリットを感じ、既存の会員の方々についても帰属意識が更に高まるための改革だと思っています。3役と事務局をはじめ、理事の諸先生方と連携を取りながら、一歩でも前に前進していければ幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。